【昨日の行動】

暇を持て余した矢那郎が浜で海を眺めていると何処かで見た事ある大きな亀が現れ、龍宮へ
連れて行ってくれました。龍宮では天ぷらうどんや寿司が食べ放題で、食前食後には珈琲ま
で付きました。楽しい一日を過ごした筈なのに、帰宅後、亀に渡された玉手箱を開けた途端
に極度の疲労感を覚え、矢那郎はすっかり元気を無くし床に伏せてしまったと云う事です。

【横臥した居間で】

居間には１台の２輪が鎮座しています。この車には購入時から書類がなく、クローズドサー
キット専用車として諸々の改造を行いました。今ではその活躍する機会もなく、居間の飾り
物として哀れな余生を送っています。上の額には長年のバイク関係の写真が細かく切り刻ま
れコラージュされています。いずれも私の死後には価値ない物として廃棄されるでしょう。

横臥した居間から見上げた窓の風景です。百均シートでこしらえた破れ気味のカバーを被っ
た1979年式自家用車の上でオレンジ色のハロウィン風船が風に揺れています。南の家の外壁
に当たっていた西日がやがて明るさを失い、辺りがすっかり暗くなるまで廃人の様に寝てい
ました。予定していたツーリングは行く気にならず一日何もしないで過ぎてしまいました。

【目覚めの言葉】

人との会話は想像以上に頭脳を使うものです。自分が話す際にも相手の話に耳を傾けるのに
も常に頭の中で話を整理しなければならず、それが長時間続くと頭脳の思わぬ疲労を招きま
す。普段一人暮らししていて人との会話の機会が少ない者にとって、話をしたり聞いたりす
る時間が突然長くなると、極度の頭脳の疲労が鬱状態を招来する事になるかも知れません。