火事寸前が美味かった
鶏の中手羽を野菜と煮込んでいた。弱火にしておいて、台所のテーブルでブログを書いていた。どのくらい経ったの
かは分からないが、鍋の方からジューッと音がしてやや焦げ臭い香りがした。またやってしまった。水分がほとんど
蒸発して、焼け焦げる寸前だったのだ。このブログを始めてから、同じ事がこれで三回目。もし台所にいなかったら
火事になってしまう所だ。だが、鍋の中の水分がほとんど蒸発してしまった肉や野菜は完全に煮込まれており、今日
の鶏の手羽肉も口の中ですぐに崩れるほど柔らかく、野菜類もとろける様な状態でとても美味しいのだ。水を加えて
もう一度煮立たせると、スープは鶏の骨から旨味が出ているみたいでまるでラーメンのスープみたいな味になってい
る。火を点けっぱなしにして忘れてしまうのはとても危険だし、火事など絶対に発生させてはならないが、鍋が焼け
焦げる寸前、すなわち、火事になる一歩手前の状況で煮込み料理が一番美味くなるとは、実に皮肉なものではないか。