晩年の父
母は認知症で施設にいて
父は家に独り暮らししていた
親しい仲間や友人もおらず
スポーツや趣味などもなく
酒もタバコもやらない
毎日どんな生活をしていたのかと
想像してみる
ただ一つ思い当たる事がある
父は国家公務員勤務の終盤
数年間単身赴任していて
官舎で自炊していると言っていた
その経験があったからこそ
母がいなくなっても
家で毎日自炊するのも
苦ではなかったのだろう
庭の植物もよく世話していた
定年間際に免許を取り
買い物も自家用の軽でこなしていた
最近就寝時や目覚めた未明に
そんな晩年の父をよく思い出す