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【MGミジェット1500】バルブクリアランス点検・調整

この車を購入してから3年弱、走行9000キロほどになりますが、気にはしつつもバルブ

クリアランスを点検したことはありませんでした。車検を頼んでいるディーラーには

「出来ない。」と断られました。暑くなる前に、いよいよ自分でやることにしました。


バルブクリアランス調整は以前乗っていたヤマハ650ccエンジンでよくやっていました。

四輪のエンジンのロッカーカバーを外すのは初めてです。

まずロッカーカバーに接続されているブローバイガスのホースを抜き、ロッカーカバー

締め付けナットに共締めされている金具からスロットルワイヤーを外して避けておきます。


締め付けナット2つを緩めればロッカーカバーは外れますが、コルクのガスケットに液体

ガスケットが塗られて貼り付いていたので樹脂ハンマーで軽く叩いて剥がしました。


バルブは左から ①EX①IN ②IN②EX  ③EX③IN  ④IN④EX と並んでいます。


先日製作したクランク回し専用工具で上死点を出し、「圧縮上死点」にあるシリンダーの

吸排気バルブをシックネスゲージで点検し、狂いがあれば調整します。

前日に上死点位置にしたままでしたが、たまたま1番シリンダーが圧縮上死点になってい

たのでクランクを180°ずつ回して1-3-4-2の順に見ていきます。

画像は③吸気バルブのクリアランスにゲージを差し込んだ所。左のパイプが邪魔でやり難い。


「圧縮上死点」の見分け方は、吸排気バルブ両方にクリアランスがあり、2本のロッカー

アームが休んでいる状態です。1ヶ所のシリンダーが圧縮上死点なら、他の3ヶ所のシリン

ダーはバルブのどちらか、もしくは両方が押されています。


このエンジンのバルブクリアランス基準値は冷間で吸排気共に0.25㎜です。

クリアランス測定時は、シックネスゲージで0.25と0.27を用意しておきました。

まず基準の0.25を入れてみて、軽く入ってしまったら0.27を入れてみます。


0.25がヌルッと入り、0.27がキツくて入らなければ良いです。

ぎゅうっと強引に入れるのはダメです!


クリアランスを変える際は調整スクリューをマイナスドライバーで固定したままナット

を締めるのですが、ナットを締めた時に大抵はクリアランスが変わりやすいので、まず

シックネスゲージの0.25を入れたまま調整スクリューを指で軽く締め、ナットも指で強

く締めておきます。この仮締め状態をキープするつもりでマイナスドライバーを当て、

ナットをメガネレンチで本締めします。(レンチのサイズは1/2インチ ≒12.7㎜)


念のため最後に、トルクレンチで基準値の2.2kgmまで締め、クリアランスを再確認しました。


調整前はほぼ全てのクリアランスが0.3近くになっていました。

「0.3~」と書いてあるのは、0.3のゲージがスルスルに入ると云う状態です。

この程度の狂いなら慌てて調整する必要もない状態だと思いますが、

今回は練習も兼ねて基準値に合わせておきました。

0.24と書いてある所は、0.25がキツキツで入るような感じです。


埃などがエンジンへ入らない内に、ロッカーカバーを元通りに被せます。

カバー内側は割と綺麗でした。タールやスラッジで真っ黒けじゃなくて

安心しました。コルクのガスケットは破損していないので再使用します。


締め付けナットには本来ゴムのシールが付きますが、潰れて再使用出来ないので、

ガスケット紙を切って使ってみます。よくやる手段です!結構上手くいきます。


ガスケット紙で作ったワッシャー両面に液体ガスケットを塗って締めます。

もしかしたら多少の漏れはあるかも知れません。ダダ漏れはしないでしょう!


ロッカーカバー締め付け面(シリンダーヘッド側)はよく掃除しておきます。

油をしっかり拭き取り、液体ガスケットのカスを取り除きます。

ロッカーカバーのコルクガスケットに薄く均一に液体ガスケットを塗り、

一分ほど乾かしてからシリンダーヘッドに被せてナットを締め付けます。


合わせ面の全周から少しだけ液体ガスケットがはみ出て来ました。

最後にブローバイガスのホースを差し込み、スロットルワイヤーも元通りにします。

エンジン始動は翌日まで待ちます。液体ガスケットがしっかり固まるように!


液体は組み付けに便利でシール性も高いですが、デメリットは外す時です。

貼り付いて外れにくくなるし、外した後も部品の両側に取れにくいカスが残ります。

ですから、その塗る量はなるべく最小限にしなければなりません。

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